住職になりたいママのブログ

住職を目指している二児の母です。

若者は宗教離れしていない

最近、寺社仏閣における盗難事件が多発しているので注意!という内容の注意喚起が、お寺に入りました。元々セキュリティに関しては万全にしていたのですが、改めて気をつけましょう、ということで、共有されたのです。

昔と違って、『バチがあたる』のが怖くない人が増えたんだよ。

事件を知った近所の方から、そんな声が聞こえてきます。そして、どうしても連鎖的に思考に浮かび上がってくる

  • 若者の宗教離れ
  • 日本人の宗教離れ

という言葉。新聞やニュースなどで、ちらほら聞いたことのあるフレーズですよね。

確かに、わたしの祖父母世代の人たちの方が、令和の現代の人たちよりも信仰心は厚いような気はします。

でもそれは、『イコール宗教離れ』と単純な数式にならないのではないか?と思うのです。今日はそんなことを書いていきます。

若者たち、宗教離れしてないじゃん。

わたしは実家がお寺です。物心ついた頃からずっと、大晦日~元旦は実家のお手伝いをしていました。

毎年、父のそばで慣れないお経を必死になりながら読んでいるうちに、いつの間にか年が明けていて、お檀家さんたち同士の挨拶が「今年もお世話になりました」から「明けましておめでとうございます」になるのを年明けの合図にしていたものです。

そんなわたしのささやかな夢は、テレビ番組の『ゆく年くる年』を観ること。『紅白歌合戦』の大トリもいつか観てみたいと思っていました。

その夢は、2017年に叶いました。1号くん(長男)が授乳の必要な0歳だった年です。2017年。当時31歳のわたしは、念願の『ゆく年くる年』を観ることができたのです…!

これには驚くほど感動しました。実家の鐘だけではなくて、東京や京都や千葉…とにかく有名なお寺の鐘の音が同時に聞けるなんて…!!

そして、この番組には初詣に並ぶ人たちも映ることを初めて知りました。そこでは、アナウンサーさんの後ろでハイテンションな若者たちがカメラに向かって手をふっていました。

テレビに映っている若者たちは、本堂(本殿)前に行くとお賽銭を投げ入れ、お寺だろうと神社だろうと構わず二拍手してから目をつぶってお参りします。その後のインタビューでは若者らしい口調で『健康に過ごせるように』とか『受験に合格』とか、それぞれの思いを語っていました。

そしてそんな若者たちの姿は、特定の寺院だけではなく、複数の寺社で見られたのです。パッとつけたテレビだけでもそれだけ映るのですから、中継されていないお寺や神社に集まる若者の人数はそれなりに多いのではないでしょうか。

明治神宮浅草寺などに、長蛇の列に並んでお参りする姿。宗教離れなんて、どこ吹く風です。みんなしっかりと、信仰を持っているではありませんか。

保育園で教わること

夢にまでみた『ゆく年くる年』を観ながら年越しをしたわたしと1号くん。会社員だったわたしはその後すぐに職場復帰をし、1号くんは保育園へ通うこととなりました。

口達者だった1号くんは、毎日保育園での出来事を一生懸命話してくれ、覚えてきたたくさんの言葉やお歌を披露してくれたのですが、食前には

『おててをぱっちん!ごいっしょに!いただきます。どうぞ、めしあがれ』

と言うそうです。

そういえば、大学時代にラーメン屋さんで、『いただきます』と言ってから食べるわたしの姿や、店主さんに『ごっそさぁ~ん』と言いながらお店を出ていくサラリーマンを見た海外出身の友人は『すごく日本人的!』と感動していたなぁ・・・なんて思い出したり。

食事の前にお祈りをする宗教は珍しくないとは思いますが、気負わず挨拶のように『いただきます』『ごちそうさま』というなんて(しかも合掌して!)、確かになかなか日本的だと感じます。

じっくりと神様に祈るわけではないかもしれませんが、食事に対して感謝するという特徴から、これも信仰と言えるのではないでしょうか。そしてその習慣は、令和に生まれた2号くん(次男)世代にも安定して日々伝えられている考え方なのです。

ごはんは残さず食べましょう

食事関連でもうひとつ。

ごはん茶碗にお米がへばりついて残っていると、『しっかり食べなさい!』と怒られた経験はありませんか?しらすやちりめんじゃこで同じ経験がある人もいると思います。

わたしもわたしの周りの友人も、当然のようにごはん粒を残さずに完食します。でもこれって、実は当たり前ではないのかもしれません。

海外に行った時、食事(確かチャーハン?ピラフ?)を注文したら『どど~~ん!』と大量に盛られて驚いたことがあります。隣で大量の焼きそばをGETした日本人の友だちと目を見合わせて、『どうしよう?!』となったことがありました。

二人とも頑張って食べていたら、現地の知人が『そんな無理して食べなくても・・・』というようなことを言ったので『もったいないじゃん!』と伝えたところ、『多く盛られるのは当たり前で、その中から自分が食べられる量だけ食べた方が合理的。日本ではそうではないの?』と逆に驚かれてしまいました。

ご飯とおかずが出てきたら、おかずは全て完食し、ご飯(麺・パン)は残してもOKとされる文化を持つ国もありますし、そもそも残すことが礼儀とされる文化もあります。

いずれにしても、お米ひと粒・おじゃこ1匹にも生命があって、それをいただいているという感覚を持つ日本人は、両親や社会から伝えられた『教え』を守っているということだと思います。そしてこの感覚は、若者の間で薄れているということもないと思います。

根深く、しっかり残る信仰

社会問題やニュースなどを見ると、確かに宗教離れしているようなトピックが見受けられるのは確かですが、冷静に周りを見てみると、日本の宗教観は割りとそこかしこにあると思います。

『お寺に行くと実家みたいな気分になって落ち着く』という声を聞いたこともありますし、結婚式はチャペルでキリスト教式をするけど、その前に和装で前撮りするのも一般的です。

お宮参り、七五三、成人式。どれも日本に文化として根付いている、信仰の一部だと思います。

個人的には、我が子が通う、普通の保育園での教育における宗教的要素の多さに正直驚きました。

どこでどのように習うかは人それぞれかもしれませんが、イマドキの若者たちが当たり前のように合掌をしたり、お寺にくる子どもたちが小さいおててでお焼香をする姿を見ると、若者の間にもしっかりと信仰が根付いていると感じます。

そして、これからの日本でも文化と宗教が融合して残っていくと思うのです。

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