住職になりたいママのブログ

住職を目指している二児の母です。

うちの自慢のお檀家さん

わたしの働くお寺の住職(父)は、『このお寺の一番の宝物は、檀信徒の皆さんです』とよく言います。

お寺にとっての宝物は、古い仏具や価値のあるであろう仏像だけではなくて、一番はお檀家さんなんだ、ということです。

なんとなく小さい頃から法話や挨拶の時に父がそう言っているのを聞いていたので、もちろん理解はしていました。

でも先日ある事件があり、またある話を聞いて、『一番の宝物=お檀家さん』という考え方にさらに深く共感したのです。

今日はその事件と、そのある話のふたつを書いていこうと思います。

先日あった、ある事件

その日の朝、わたしはいつも通りお寺へ出勤しました。

法事がある日だったので住職は朝からバタバタしていましたが、わたしはいつも通り事務仕事の準備をしようとPCを開いた時、電話が鳴りました。

電話口の方は恐縮そうな声色

(その方のお家の)近所にある、お寺の土地で虫が大量発生している

と教えてくださったのです。「おいそがしい所すみませんが、駆除していただくことはできますか?」と。

お寺からは距離のある場所(いわゆる飛び地)だった為、私たちは全く気づかなかったのです。

慌ててその場所へ駆けつけてみると、小さい虫がたくさん…!後から業者さんに聞いた所、ヤスデという虫の一種で、悪さはあまりしないそうですが見た目がとんでもないインパクト…。

こんなにすぐに来ていただいて、本当に申し訳ない」と言いながら出てきてくださったその方には、丁重に謝罪をし、お寺の世話人さんに報告するとともに、害虫駆除業者を手配しました。

するとすぐに、その世話人さんが業務用の殺虫剤をかついでその場まで来てくれたのです!

これからオレが殺虫剤まいておきますよ!」と頼もしいお言葉。

それとほぼ同時に、業者さんからも連絡があり、翌日来てくれることになりました

これが、先日の事件です。

この話、すごすぎる…!

この一連のお話、すごすぎる…!

ほとぼりが冷めてからわたしがまず持ったのはそんな感想。

まず、電話をくださった方。ご自宅近所で起こっていることなのにとても低姿勢で、最終的には駆除したことに対しても、すぐに対応したことに対しても感謝してくださるほどでした。

そして、すぐに駆けつけてくださった世話人さん。仕事をしていたかもしれないのに、殺虫剤まで持参して、電話をくださった人やお寺を助けてくれようとしてくれました

最後に、業者さん。馴染みの業者さんなのですが、それは大変!とすぐに翌日に害虫駆除の手配をしてくださいました。そして、連絡があったその日に薬剤を撒いても、雨だったため駆除することはできないと教えてくださいました。

どの立場だったとしても、わたしが同じ状況にいたとしたら、はたして同じ対応ができたでしょうか…?

いずれにしても、この事件はこうやってすぐに解決したのです。

そして、たまたま同じ頃、別の話を聞きました。

戦火から本尊様を守った男性

住職が産まれるもっと前の話。戦時中のことです。

当地は都心からかなり離れた場所にある、静かな地域。言ってしまえば、田舎です。疎開で都会からやってきた子どもたちを迎えたという記録も残っている場所。

当時住職は兵隊に行っていたため不在で、お寺は地域が守っていたとか。

そんな平和なこの場所に、一度だけ空襲があったそうです。それは、1945年の暑い日。そう、終戦直前のことでした。

お寺の周辺地域は、江戸~明治期にすこし栄えていたこともあり、家屋が何件も隣り合って建っていました。ですので、空襲があってすぐ、この村落は火の海になったそうです。

みんな着の身着のまま逃げるしかありません。

そんな中、お寺の近所に住んでいたとある男性が、火から逃げるのではなく、本堂へ走ったそうです

火の回りがどの程度だったかはわかりませんが、とにかくその人は内陣に向かい、本尊様を引きずり下ろしました。そして、背中にくくりつけて外に出たそうです。

そして本尊様をおぶったまま走り回り、火から逃げ、幸いその男性も本尊様も無事戦火から逃れたそうです。

きっと同じ対応をできないであろう、不甲斐ない自分

正直、自分だったら同じことができるとは思えない…。

自分だったら、だけではなくて、もし自分の夫が同じことをしようとしたら?息子が同じことをしようとしたら?わたしは夫や子どもに何と声をかけたでしょう

しかもその勇敢な男性、当時の年齢は今のわたしとほぼ変わらない歳…。

親兄弟だけではなく、奥さんや子どもなど守らなければならないものがどんどん増えてくる頃ではないでしょうか。

その人だけではなく、その人の奥さんはどのような気持ちで背中を見たのでしょう。

その後、立派なおじいちゃんと呼ばれる年まで生きたその男性は、わたしが産まれるよりも前に亡くなっています。

そのエピソードを聞いてから本尊の阿弥陀如来立像を見ると、会ったことも見たこともないその方の姿が浮かび上がってきそうな、そんな心境さえしてきます。

お寺の宝物は、お檀家さん

以前にも書きましたが、わたしが働くお寺は、南北朝時代に開山されたそうです。

開山されてから令和の今日までの間、どれくらいの人にどうやって支えられてきたのだろう

別のお話でヒーロー住職さんなる人もいたりするようで、それぞれのエピソードを見ると、映画一本作れてしまいそうな壮絶なストーリーがありそう。

わたしは今、そこで働いている。

わたしの知らない武勇伝も含め、全て噛み締めてお仕事ができるお坊さんになりたいと感じます。

そして、今では名もなき物語となってしまったかもしれない、ひとりひとりの武勇伝を称えたいとも思うのです。

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